確かなパターン技術を駆使し、随所にブランドを象徴する刺繍やレザーパーツを入れ、贅沢なウールカシミアメルトンにて仕立てたスペシャルなPコート、HEAVY WOOL CASHMERE MELTON P-COAT - BLACK。
フロントはPコートらしい大ぶり目の襟元にオーソドックスな8つのボタンが配され、両サイド胸元にマフポケットにやや被る形でパッチポケットが配されます。
マフポケットの延長線上にはブロードアローのような三角状のステッチが走り、デザインアクセントととして機能。
パッチポケットの上部にも同色の刺繍が入り、さりげない主張が施されております。
ポケットの裏地にはコットンのコーディロイ素材が貼り付けられており、手を入れた際には優しさを感じる手触りです。
両サイドの脇は2つのボタンとタブが配されウエストの調整が可能。
袖口も同様の仕様でどちらのタブも裏地はレザーが配され十分な作り込みを感じていただけます。
襟裏は全て上質なカーフレザーが配され、生地とレザーの同色異素材によるコントラスト。
襟元を立てた際には存在感のあるビジュアルを演出します。
使用された生地はヘビーウールカシミアメルトン。
上質な素材感による艶感と柔らかさを備えたファブリック。
ウール80%、カシミア20%の配合で肉厚なメルトンにカシミアが加わることで保温性も高まり、滑らかなタッチが印象的な着用感を生み出します。
程よい重量感ですが、ビンテージのPコートに比べると随分軽く、日常生活においては使いやすい重量となります。
形は地厚なニットの上からでも着用可能なシルエット。
ボタンを閉じても開けても様になるAライン。
生地分量を多く取ったアームは前にふった立体的なパターンで取り付けられており、肩から肘にかけて湾曲したパーツ割りで独特なラインを描きます。
窮屈感のない袖入れが可能で、着用時の間が心地よく、迫力のあるPコートながらエレガントな空気感を纏う仕上がり。
また、こちらのPコートのデザインを語る上で欠かせないポイントとして、縫製面を切りっぱなしの始末にしている点になります。
アームのアウトライン以外のフロント、裾、袖口のパーツが該当し、縫製面の際はステッチが入るのでこれ以上のほつれはありません。
上質な素材と細部にまでこだわりが行き届いたディテールの作り込み。
その上でデザインの足し引きが程よいラフさを生み出し、確かなパターンによって快適な着用感までクオリティが上げられた、デザイナーとパタンナー2人で構成されるブランドの強みが十二分に活かされた1着です。
新品からビンテージまで様々な形で市場にリリースされるPコートですが、久しぶりに自信を持ってご提案したいものと出会いました。
着用することでより良さを感じていただける素晴らしいアウターです。
是非、ご覧ください。
<サイズ>
サイズM
身幅 62.5cm
裄丈 87.0cm
着丈 86.0cm
*モデル180cm65kg サイズM着用
<SARTO(サルト)>
2023年秋冬、サルトをスタート。
デザイナーを豊島聖が務め、池田暁彦がパタンナーを担う。
コンセプトは「日常に心が弾む装いを」。デザイナーとパタンナーによる、双方の視点から導き出される佇まい・シルエット・着心地をクリエーションに落とし込み、どこか品を感じさせる、“ふと気づくと手に取っている日常着”を探求し、提案している。
ブランド名は、イタリア語で仕立て屋やテーラリング技術を意味する言葉である「sarto(サルト)」に由来している。
